去年、突然テレビＣＭの依頼が来て出演した。私の英会話教室の宣伝を見た人も多くいよう。そう、あのノペッとしたＯＬは私である。ピンポンパンポ〜ン。 　　　
　近頃　毎日のように声をかけられる。「美津乃さーん、見ましたよ」・・・こんなはずじゃなかった。私が夢見ていたＣＭヒロインのイメージはサントリーか高級化粧品メーカーで、バーや海辺で微笑みながら佇んでいるはずだった。グアムやハワイ、せめて沖縄のビーチで太陽の光を浴びながら海辺を走っていたはずだった。 　　　
　　　
「美津乃さん、すごいですよね、あの鼻の穴！！」 　　　
「朝一でテレビつけたらあの顔のアップ。目が覚めたよ」

　・・・こんなはずじゃなかった。ヴィダルサスーンに髪をいじってもらい、Ｔｏｓｈｉ　Ｋｕｂｏｔａと一緒にウインナーをかじるはずだった。ＳＫ　を白黒で勧めるのは私のはずだった。 　　　
　確かに環状線のポスターも雑誌公告もオソロシイ巨大な鼻の穴が映っている。おかしい・・・？　確かあの時、私は念入りに化粧を施し、中條かな子も真っ青の美貌でカメラに臨んだはずだ。 　おかしい。これじゃ普段の私の舞台メイク（凶悪だと人は言うが）しか知らない人 はわかる訳がナイ。もしかしたら私は以前ブレイクしたあの“ＮＯＶＡ”のおばはんのような道をたどるのだろうか。「イエース　ザッツ　ライト」だけで飯を食う鈴木さんになるのだろうか？　「勉強しまっせ」でヒットしたが為にどんなドラマにもチョビヒゲをつけて出なければならないのだろうか？　ああ、せめて中村雅俊くらいにならないものかしら。耳にバナナ突っ込んでる外人親父に囁くほどに！　そう言えばハナテンの「歴代スッ裸姉ちゃん」達も全員社長の愛人と聞く。おぞましい！

　さぁ、早く次の素晴らしいＣＭの依頼はこないかしら？ 恐らく、ジョージア・コーヒーの次の一息美女は私に決まっているらしい。楽しみ！　【続く】　　
　　　
※制作から／美津乃あわ女史は今夏からＯＡされる『近鉄あやめ池遊園』のＣＭにも登場！　また『恐怖百物語９７』のＣＭにも登場します！

超奇人伝

　その昔、「眠れる預言者」と恐れられたエドガ−・ケイシ−という人物がいた。彼は無学の青年だったが、催眠術にかかって政治や経済、医学その他、様々な分野において素晴らしい学説を説き、アメリカ中を驚愕させた。が、悲しい事に彼は起きている間は全くの凡人であった。寝ている間以外は予言能力はなく、その時の事は全く記憶にないという。

　我が”ファントマ”の舞台美術を担当する岡一代（女）は若干２２才。普通 の娘さんなら恋やおしゃれに夢中になる年頃だろうに、舞台にいる彼女はいつも全身黒ずくめ。腰に道具ベルトを下げ、金鎚を片手にうろうろしている。その姿はその辺のひ弱な男とは比べ物にならない程たくましい。

そんな岡を劇団員達はとても頼りにしているのだが、彼女には重大な欠点がある。

それは・・・「朝起きれない」という事だ。

　舞台本番前、一分一秒を争うそんな時でも彼女は深い眠りについている。本番中の遅刻も一度や二度ではない。困りきった私達は、全員で時間差モ−ニングコ−ルをしたり、前の日は早く寝かしつけたりといろいろと手を尽くしているのだが、全く治らないのである。 　

　ある本番の日。昼を過ぎても彼女が来ない。と、彼女から連絡が入った。「おはよう、諸君。実は私はエドガ−・ケイシ−の方法を実践しているのだ。眠れば眠るほど、次々と新しい美術プランが浮かぶ！ なんと素晴らしい事か！　私は偉大なる力によって舞台を作り上げていくのだ。座長にはそう伝えてほしい。」と熱く語った。自分こそ『眠れる舞台美術家』の呼び名がふさわしいと言うのだ。我々が呆然としていると、電話を取り上げて座長が冷静に言った。
　「いいから早く来い。この三年寝太郎」「はい、すぐ行きます・・・。」

　遅れて来た現代のエドガ−・ケイシ−はなぜかいつも腰が低い。周りにペコペコしているのはなぜ？　偉大な美術家なのに？　かく、才能あるア−ティストは謎めいている。

ドクタ−ヘッド　脱稿

　　　　　　　　　　　伊藤えん魔が告白　その全貌と余興

　春はあけぼの。横綱も曙。缶詰もあけぼの。ところで「あけぼの」って何？　WHAT？
　ようやく訪れた雪解けの季節。皆様、いかがお過ごしだろう？　冬登山に失敗し、 白骨となって発見されたり、３日ぶりに救助されたりしてはいないだろうか？　ご無沙汰した。えん魔りんだ。ところで「ご無沙汰」っ何？　WHAT? 　WHO?　 HOW?

　さて、この３月に一大センセーションと鳴門に渦を巻きおこした『犯罪心理』。
　観にきて頂いた方はありがとう。観に来てない奴はくたばりやがれ。新しい形のえん魔版ハードボイルドに戸惑った連中もいたが、柔軟な感性を持ってる奴と新規の客は楽しんでくれたみたいで感謝している。新作は『犯罪心理』で垣間見たファントマの可能性を１０５％引き出し、かつ伝家の宝刀／えん魔版ドラマの涙鼻水ウルボロのエッセンスをぶちこんでやるつもりだ。叫ぶぜ、うぉう。

　『ドクターヘッド』では医療批判をやる。今、最もレアなネタだと思うからだ。ダメだろうか？　ダメと思う奴はくたばりやがれ。病院規模から個人の医師まで、今や悪人＝医者ではないか。日本は悪徳医師のオンパレードだ。批判と言っても、俺みたいな芸人風情が社会を敵に回すつもりは全くないので、勿論ただの娯楽にする。

　一人の安楽死医者の存在にスポットをあてながら、闇の社会と化した病院世界で命と闘う連中の姿を完璧なえん魔版ハードボイルドにしてやる。スチャラけて言ってし まえば、仕事人風病院ウォーズ（コントあり）である。ふふふ、ワクワクしない奴はくたばりやがれ！　お楽しみに。

雑談す！／ＴＨＡＴ’Ｓ　ＤＡＮＣＥ

　知っている人もいるとは思うが、ここ数年来「声」の仕事が多い。とくにパソゲーのソフトに俺は多く出演している。ＳＮＫの対戦格闘ゲーム『サムライスピリッツ』は特に人気ソフトで、俺は壬生月斬九郎というメガ強いキャラの声をやっている。「そんなに死にたいのなら・・・殺してやる。」「この俺に勝とうとは甘いわ」や「滅せいッ！」「うぉりゃぁッ！」とか言っている。 　　
（ついに今年、サムスピファン待望のＰＳ、ＳＳ版のＲＰＧがでるらしいぜ！） 　　
　ゲーセンにはアーケード版サムスピがあり、この前初めて自分でやってみた。噂には聞いていたが壬生月斬九郎と言う奴は死ぬ ほど強い。対戦して１５秒もしないうちに本当に殺された。俺が『この野郎ッ』と挑みかかると、「甘いわ！」と返り討ちに合う。「滅せい！」と言うから『お前こそ滅せい！』と同じ声でや り返していると、周囲の人に気持ち悪がられてしまった。自分の声に馬鹿にされて、なんかとても悔しかった。誰か壬生月斬九郎の倒し方を教えてくれ。