TREASURE OF FANTOMA” EVENING SPECIAL EDITION
1996年10月 第2号/編集発行人 なかむら門野 トリー伊藤

 


もう一人の私 随想執筆/美津乃あわ

 小学校のお楽しみ会やクリスマス会の主役は必ず私だった。
 かわいい女の子達はピンクレディを歌い踊り、芸のない男子供はつまらない「なぞなぞ合戦」やくだらぬ手品をやっていた。でも、私は違っていた。「笑わせてやる。皆私の余興を見て笑え!」 私以外は全員男の子ばかりを集めてグループを作った。なぜなら女はしょうもないからだった。出し物でイロモノを演じるのはいつも私と決まっていた。本番の何日も前から集まり練習しまくるしまくる。笑いのシステム等知る由もない私は「まずは見た目だ!」とハッキリと確信していた。  
 
 普通なら淡い初恋に胸踊らせ、かわいらしくなりたいと願う年頃にも関わらず、私は顔を白塗りにし、チョンマゲを結い、アホメガネを掛け、鼻水メイクを施して登場した。そう、私は馬鹿殿そのものになっていた。私はネタを連続する。
 私の一挙手一動にみんな笑っていた。先生も腹をかかえて笑っていた。私の小学生時代はずっとそんなだった。結果、卒業文集や作文には私の名前ばかり書かれるようになっていた。休み時間にちょっと練習するピンクレディや芸のないネタバレ手品とは訳が違うんだ。くくく・・・、ざまぁ見ろだ。  
 
 私が芸を披露する時には、他のクラスのヤツらも見にくるようになった。お楽しみ会どころか昼休みや放課後ですら見物しにくる事すらあった。私は朝礼台に立ち、大勢の前で演技をするようになった。みんな私に拍手喝采を送る。校長も寿命が縮 む程下品に笑っていたっけ・・・。みんなに笑われながら私はふと我にかえっていた。  
 
「あぁ、気持ちいいッッッ!! 最高だァッ! 法の華ッ!」人々が私に注目している。皆が私に笑わされている。クラス単位じゃつまらない。学校なんかじゃつまらない。  
 思えば、私のファントマ芸人への道はこの頃から決まっていような気もするが、今となってはもうどうでもいい事である。今はただ、人に笑われる事のみを考えよう 。{続く}
 
(次号は『分裂・十人の私』)




『マシンオイル』 上演決定
 作・演出のえん魔氏、次回作ったり、歌ったり、踊ったりする。

 秋も深まり、サンマも絶滅の危機を迎えようとしている季節。皆様、いかがお過ごしざますか? 非加熱製剤や砒素ミルクなどの薬害を受けてはおられませんか? ご無沙汰ざます。えん魔りんざます。久しぶりのファントマの秘宝ざます。 さてさて、今年の11月に伊丹AI・HALLでやる事になったざます。演目は私の3大愛蔵版の一つ『マシンオイル』ざます。ファントマの前身であるKHT時代で上演する予定ざますから、そちらもお楽しみに。またまた、5月には森之宮プラネットホール・プレゼンツとしてもう一本用意してるざますから、来年もファントマを見逃したら駄 目ざますわよ? いいざますわね?  文豪の筒井康隆先生も言ってるざます。「私、インテリ。ラーメン、コッテリ。わはははは」と。ちなみに筒井先生とは、私が親友の岡田真澄ちゃんの結婚パーティーの司会をした時に祝辞の打ち合せをした程、深い信頼関係で結ばれているのざます。「筒井、乾杯の発声をして欲しいってファンファン大佐が言ってるざますわ」「別 にいいけど、面倒臭いなぁ」「じゃ、よろしいざますね」「はいはい」と熱い友情が繰り広げられた事を思い出すざます。それでは、11月1日〜4日の間に皆と会えると嬉しいざます。今回は特に西村恵一 と美津乃あわをフューチャーしてるざますから、そのポイントも押さえて欲しいざますわ。勿論、門野の太股も見応えタップリざます。舞台美術もアクションも凄そうなので、私もワクワクざます。じゃぁざます。
 



漫画家/園田小波

 あれは一年前。ナビオ前で一人の凶悪でエレガントな大男が私に声をかけてきた。「君、暇ならお茶しないざますか? もしくは、マンガ描け。」 そういうわけで今回『ファントマの秘宝』に4コマを描く事になりました。
 初めましてマンガ家の園田小波です。「りぼんオリジナル」という少女雑誌で4コマ連載してます。まだまだ無名の新人ですが覚えておくと良いかもしれません。園田小波です。今度一回、いや二回読んでみてください。よろしくね。