美津乃あわの「西部劇がいっぱい!」
次回作は西部劇。そのためこの数カ月間、ありとあらゆる「ウエスタン・シネマ」を片っ端から見タワ見タワ見まくってやった。本来なら、おしとやかな貴品あふれる私(わたくし)が、あんな野蛮な男共の鉄砲合戦に興味あるはずがない。仕方なく、「これも舞台の為のお勉強なのよ」と歯を食いしばって、腰をくくって、背に油をのせてビデオ鑑賞にと臨んだ。
すると・・・どうだ!? おもしろイ!! すっげぇ面白いではないの西部劇ッ! 2本、3本と見ているうちにツメの先から骨のズイまでどっぷりとウエスタン色に染まってしまったのだ。気品ある私とした事がッ!? 不覚だわ。
だがだが、転んでも10円や$300では起きない私。数々見まくったウエスタンシネマの中から、皆様のスターである私が独断と偏見で「ベスト3」を選んだわよ・
第3位 「OK牧場の決闘」
「オ〜ケ〜」♪ コラ〜ル♪」の主題歌は一度聞いたら二度と耳をはなれない。その上、一度どころか劇中で何十回とこのフレーズは流れる。この映画を見たが最後、2週間はこの歌が口をつく程。ストーリーは正義の味方ワイアット・アープとならず者の憎い奴ドク・ホリデー、(この二人の関係はまさにガッチャマンの『荒鷲のケン』と『コンドルのジョー』のごとし)が、性格の悪い敵役クラントン(=『ベルクカッツェ』)を倒す、あまりにも勧善懲悪劇。とにかく、ストーリーより何より、あの歌のインパクトにドギモをぬかれるばかり。「オーケー♪ コラール♪」
第2位 「サボテンブラザーズ」
これはおもしろいっ。「サボテンブラザーズ」は邦題で、本当は「スリー・アミーゴーズ」。つまり、「3人のメキシコ風お友達」と言う意味。スティーブ・マーティン率いるずっこけ3人組がつづる「お笑い・荒野の7人」(下記参照魚)なのだ。
内容は明解、小気味のよいギャグに次ぐギャグ。衣装のド派手さは「勉強しまっせ引っ越しのサカイ」でもパクられていたので、ご存じの方も多いはず。歌やダンスのオマヌケさといったらこの上無し。かと思うと銃さばき、ロープ使い等はマジで極めている。さすがはアメリカン・エンターティナーだ。しかし、この映画。本土アメリカではたった1週間で打切りになったと言う不人気作品だったらしい。つまり日本人向けなのね。それとも、私向け?
第1位 「荒野の七人」
この作品のストーリーは巨匠黒沢監督の「七人の侍」をまんまパクったもの。若き日のユル・ブリンナー(※注:当時からハゲ)演じる正義のガンマン「クリス」がシブすぎる。ダンディな黒ずくめのスタイル、セクシーな腰つき、精悍な唇、そしてハゲの輝き。彼は上演2時間あまり、私を釘づけにしたものである。ブリリアント! 内容もパクリと知りつつ、十分ダイナミックで痛快なストーリー展開で、まさにウェスタンの王道。「荒野の七人」見ずしてウエスタンは語るべからず! 黒沢万歳!
・・・と、まあ3本のウエスタンシネマを挙げてはみたものの、皆様にお教えしたいストーリーはまだまだ尽きる事なし。たまーにハズレの鼻毛作品もあるが、大方はハズレなし。えん魔版本格西部劇「ビリィ・ザ・キッド」には、それらのおいしいトコが存分に盛り込まれる事でありましょう。どちらにせよ、「ビリィ・ザ・キッド」は観るべし。観ましょう。観てくださいね。いやーっ、西部劇って本当にスバラシイですね。さよなら、さよなら、さよなら!
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