■STORY





それは進化なのか 破滅なのか 

「俺達ハナゼウマレタ?」 


その城では、善も悪もわからず
強固に統率のとれた兵士達は日々戦争を繰り広げていた。

名だたる兵士はホワイトブラッド軍と呼ばれていた。
騎士ルーク、ナチュラルキラー剣士、マクロファージ格闘士、
ヘルパー参謀、情報分析官B。最強の布陣を誇った。

彼らは
好戦的で享楽的なバクテリオ軍、
高等戦術と卑怯な戦法を得意とするモルド軍との戦いに明け暮れる日々。

強固を誇ったホワイトブラッド軍だったが、
組織を組み、大軍を引き連れた敵連合軍に苦戦を強いられる。
そこに、あらたな強力な謎の敵が現れる。
情報が解析できず、正攻法では殺すこともできない不死身の単独兵。
味方も敵も、その存在を「HIV」と呼び恐れた。

同時に劣勢にもかかわらず保守的な体勢に不満を持つ分子が内乱を企てる。
自分たちの城を外からも内部からも攻められるホワイトブラッド軍は窮地に立つ。


その中にあり、「自分たちの生命と進化」を解き明かそうとする
若き学者アルフレッドが現れる。
彼は先輩学者チャールズとともに城内外のあらゆる生命を学び、
進化論の神髄に到達しようとしていた。

だが、戦火はまずます激しくなり、
平和は崩れ去り、アルフレッドとチャールズも戦闘に協力をよぎなくされ、
前線をひたすら伝令兵として奔走する。

「最終決戦を挑もう!」
「敵を滅ぼせ!」
「いや敵を受け入れるしかない」
「奴を入れれば城が滅ぶ」
「馬鹿な! 例え全滅しようとも抵抗あるのみ!」

その混乱の中で、消えゆく命、それぞれを思う絆、
種族を越えた愛、誇り高い魂。
多くの生と死を間近に見たアルフレッド達は
自分たちの学問を次第に完結させつつあった。
「そうだったのか…この城は…生きているんだ」


しかし、ついに最強の敵が城に侵入し、すべてを破壊し始める。
仲間を守り倒れてゆくも、ひたすら敵に立ち向かう戦士達。
戦争の中でも、探求をやめない学者達。
変化を望み革命を起こす思想家。
敵同士で心惹かれ合った恋人達。
そして破壊の神となる第三の生命体。

それぞれの思惑が激しく交差する中、
生命の進化の謎が説き明かされてゆく……。


愛と絶望、哲学と妄想で奏でる生命賛歌。
美しくも哀しい、えん魔版サイエンスゴシック・バトルフィールド!