■STORY

そこは狩猟民族の国だった。
人々は完全な身分制によって分けられている。
子孫を残すための王族、その婚姻相手となる貴族、そして戦士。
それらの階級は生まれたときに決定し、生涯覆ることはない。
それについて、国民は誰も疑問を持たなかった。
女王たちがすべての政(まつりごと)を采配する。
しかし、その特権階級ほとんどは働いておらず陰口を叩かれている。

王族の次、上位階級である貴族。
彼ら男達は、
次の女王候補と肉体的な恋愛を結ぶためだけに城にいて、
日々を享楽的に過ごす。

そしてその他すべてがウォリアー:戦士である。
彼らは上流階級の者、そしていずれ戦士となる子供を養うため、
ずっと戦い続けていた。戦士の多くは女達である。
狩をしすぎると周辺に獲物がいなくなる。
本来、女王は一子相伝をとり、
獲物が減りすぎぬよう、狩りのバランスをとるはずだった。
しかし、最強と呼ばれる「槍の国」では、
現女王であるダイヤの元に4人もの新女王候補が生まれた。
女王はその全員を新しい土地で、それぞれが城を持てるよう、
戦士達を過剰に働かせていた。
やがて季節が冬が来ると、
城は朽ち、女王以外は滅びると言われていた。


その中に、「彼」はふと現れた。
アビーと名乗る「彼」を誰も知らなかった。
しかし、彼は不思議な力を持ち、誰も彼を不審に思わない。
そして彼は下級戦士の仲間にすぐに溶けこんだ。

時を同じく、
過剰な獲物獲得のための戦争により、
あちこちで戦闘は徐々に熾烈を極める。

この世界に疑問を感じる「彼」は、何かを探していた。
「彼」は王族の宴を見つめていた。
そこでは新しい女王候補達と男達の「恋」が交わされる。
やがて彼らはパートナーとなり、愛し合うという。
「彼」にはそこで何が行われているかわからなかった。
戦士には愛や恋が理解できないのである。

その頃、槍の国近辺にまったく別の国「黄色の国」が出現する。
その国は強力で、無敗を誇っていた「槍の国」を脅かす。

「彼/アビー」の存在が、やがてすべての歯車を狂わせ始める。
世界の戦いは激化の一途をたどってゆく・・・