■STORY

古、その惑星は永久に生きる植物が繁栄し、緑に覆われた世界となった。
生命は進化し、樹木や草花は歩き、人となり言葉を発するようになる。
そして、彼らは文明を築いた。
彼らが生きる世界の中心には「ガーデン」と呼ばれる楽園があった。

しかし、いつしかその星は水が枯渇し砂漠となる。
ガーデンだけが生命の最後の砦となっていた。
その世界に生きる民達は、
ガーデンの女王が管理する水門の水だけが恵みとなっていた。

さらには植物を蝕む無数の虫がおり、
ガーデンを巡って長い戦争が続いていた。

樹木草花の大人は老い朽ちて、
新しい生命と子供は減ってゆくばかり。
いずれ緑も生命も滅びを待つしかなかった。

そんな中、植物でも虫でもない「シード」という少年が現れる。
彼は生まれていない「種」であるにも関わらず
話し、歩き、お喋り好きで風変わり。
異端者として方々から疎まれる奇妙な存在だった。
だが、どんな事にも興味を持ち、
関わる相手とは誰だろうと仲良くなろうとするシード。
そして彼は「自分が何者なのか?」を探すため、
終末を待つ世界へ旅を始める。
彼は多くの植物や虫と出会い、少しずつ仲間を増やす。

そんな中、ガーデンでは王族制に疑問を抱く者が現れ
不和が生まれていた。

その世界には、二つの伝説があった。
一つは聖なる石【龍の血の塊/ドラゴンレッド】が、
雨を降らせる力を持っているという伝説。
そしてもう一つが、
ポエニクスという火の鳥が全ての世界を救うという伝説だった。

シードは親友クチナシとカエンタケと共に大いなる謎に近づく。

だがガーデンを巡り、
いよいよ巨大な戦争が巻き起こってゆく・・・

満を持して描く伊藤えん魔3年振りの書き下ろし。
演劇的妄想システムを最大限に駆使する、
美しく哀しき緑の惑星世界。
超時空ダークファンタジー!